【🐶全国狛犬100選🦁】021

福島3 いわき 震災で被害を受けた諏訪神社の狛犬

  普通の狛犬は社殿の前でお互いに相対して顔だけ正面を向いている。しかしこの狛犬は二頭とも参道の先の海を見ている。「魔物を入れないぞ!」という強い決意が感じられるような感じだ。この神社にも東北大震災の時に津波が押し寄せた。

  拝殿前の狛犬や台座に乗った狛犬の破損はないが、鳥居は二本とも新しくなっている。すぐ隣の神社の狛犬も新しくなっている。

  いわきの海岸部の神社はことごとく地震と津波の被害にあった。地元の人たちはまず神社仏閣の債権から復興を始めた。周辺はまだ茫漠とした風景だが、神社はきれいになっている。

  2024年の3月に地元天栄村に住む荒木優子さんに案内してもらっていわきの神社を回った。荒木さんは地元新聞に温泉の連載を持っているバイクジャーナリスト、カソリック教徒のひとりである。地図を見ながら、なんでこの辺りには諏訪神社が多いのだろうと話をした。なぜだかわからない。

  この諏訪神社は「両諏訪神社」となっている。両とはなにかも聞く人がいない。全部で3体の狛犬がいた。この狛犬は石段の上にいる。今は目の前にかさ上げされた道路が見えるが、津波の時には押し寄せる波をみていたのだろう。大きく胸を張って大声で避難を呼びかけているような姿に見える

   。