【🐶全国狛犬100選🦁】023

茨城2 雀神社の獅子山の色が付いた狛犬

  古河の街のはずれにある雀神社の獅子山の上に載る彩色の狛犬である。焼き物ではなく石造である。左の狛犬は振り返って参道の方向を見ている。いずれも尻尾を建てた構え型であるが、この形、彩色は珍しい。慶応3年の作である。私はこれまで見たことがない。

  右の写真が神社の正面の入り口だが、まっすぐの先は渡良瀬遊水地の土手である。参道は途中で右手に直角に曲がる。するとその両側に獅子山がありその先に鳥居、拝殿となっている。

  右側の獅子山の途中まで登ってきた子がいるが左側は登るのをあきらめたような子が上にいる親を見上げている。親は参詣者の方を見ているのではなく、子が登ってくるのを促しているのかもしれない。

拝殿前には「はじめ狛犬」がいる。右の狛犬の胸には奉納の時期が書いてある。元禄3年(1701)、石造狛犬としては古いものであるが保存は良い。

  末社の裏手の土手を登るとこんな景色が見える。この広大な草原は渡良瀬川の遊水地に続いている。向こうに見えるのは日光連山、富士山型は男体山だろう。

  景色を眺めて古河の駅に戻る途中、廃墟になりかかっている立派なお屋敷があり、崩れた塀の脇からこんな狛犬が見えた。子取り玉取りの対と阿形のみの狛犬である。大谷石でできているがまだそんなにも風化していない。このまま捨て犬ならぬ「捨て狛犬」になったらかわいそう。何とかしてやりたい狛犬たちだ。

【🐶全国狛犬100選🦁】022

茨城1 大洗磯前神社、3.11では皆が避難してきた。

  この神社はまさに海に向かっている。大鳥居前の石段を上ると社殿がありその前に備前焼の大きな狛犬が来る人を歓迎している。足元には海辺から参拝者が持ってきた石がびっしりおいてある。

  私がこの神社を訪れたのは2011年の初もうでだった。そのすぐ後にあの東日本大震災がおこった。その時高台にあるこの神社の境内には多くの人が避難してきたそうだ。上の右の写真にある鳥居も破損した。

  その時には磯崎港でこんな豪華な食事をした。磯崎港は穏やかでその年の豊漁が約束されているように見えたが、まさかあんな大津波が来るとは夢にも思っていなかった。その後はどうなったのだろうか。小学校以来のともだちの中村輝ちゃんと話をした。

 
「そんなら見てくるよ!」とフットワーク軽くこんな写真を撮ってきてくれた。いまや輝ちゃんは狛犬愛好家の仲間である。

  震災前、狛犬の足元にびっしり敷き詰められていた。右上は末社の鳥居の上に置かれていた。しかし輝ちゃんの写真では全く石は置かれていない。 なにか意味があるのだろうか。この写真以外は2010年1月の初もうでの時のものである。