上総国府
上総国は律令時代には最重要国だった。旧国は大中小に分けられており、大国は全国に13国あった。その中でも上総、常陸、上野の3国は天皇の子が太守になる親王任国だ。天皇の子は現地には来ないので、これら3国は「介」が最高位だった。菅原孝標は道真の子孫で上総介を務めた。「更級日記」は孝標の任期が終わりその娘が上総から京へ戻るときに書いた日記である。‥・と聞いただけで読んだことはない。
その大国である上総国の国府はまだ候補地だけで確認されていないが市原にあるとされている。しかしその場所は郡本(こおりもと)か惣社か?候補地はあるが発掘はされていない。私は惣社に近い上総村上駅から惣社戸隠神社の間あたりかと思っている。その理由は上総村上駅から歩き始めたという理由だけ。
惣社 戸隠神社
村上駅からまっすぐに歩くと森が見えてくる。本郷坂という上り坂の右手に石段がありその上に立派な神社がある。私の好きな狛犬も新旧二体が並んでいる。さらに浅間神社の富士塚がある。富士山の溶岩積みのいいお富士さんだ。目の下の眺めは良い。この高台に国府があったような気がするのだが??
国府 惣社
国府巡りの先達、賀曽利さんから国府の場所と、もう一つの惣社について写真を提供してもらいました。阿波須神社は国府があった場所?だそうだ。もう一つの総社は飯香岡八幡宮でこちらにも立派な富士塚がある。
国分寺
現在の国分寺はなかなか味わいのある寺だ。こんないい薬師堂は見たことがない。手入れは大変だろうが維持して欲しい。茅葺の薬師堂の裏手に国分寺跡が残る。立派な七重の塔があったらしい。背後に見える市民センターのビルよりも高かったのだろう。珍しく塔の跡にたたずんで休憩。いつも歩き続けているのでほとんど休憩なし。余韻のない旅だなあ。
国分尼寺
国分尼寺の入り口に展示館が作られている。昔この辺りは古墳巡りで何回も来たことがあったが、国分尼寺がこんなに立派に復元されていることは知らなかった。金堂の回廊も復元されている。上総国は大国だったのだろう。