【🐶全国狛犬100選🦁】002

北海道2 江部乙神社 笑う狛犬

北海道、滝川の近くに江部乙(えべおつ)という駅がある。鈍行しか止まらないので札幌から行くのも一日仕事である。そこで私は札幌に住む北大教授先生ご夫妻に「一緒にいかない?」とささやいて車を出してもらった。「わざわざ狛犬をみるために北海道へ来たんですか?」と教授にはいぶかられたが、奥様には大変気に入ってもらったのがこの狛犬である。

 いま狛犬愛好家の中では一番人気の『笑う狛犬』だ。苦労した屯田兵の子孫が成功のお礼を兼ねて明治43年に奉納したもので、笑いをとろうと考えたわけではない。 ふつうは「右が阿」で「左が吽」の並びをするがこれは逆である。さらに顔と尻尾の彫刻は上手になされているが胴体はずんどうであまり芸がない。しかしそんなことはどうでもいい。願主の感謝の思いはつたわっている。

 両方とも手足の指が袖口から出ているように見える。こんな手法で足の指を彫った狛犬は他には見たことがない。おそらく他の狛犬を見たことがないか、あるいは見ても自分流を貫きたかったのかわからないが個性的狛犬であることは間違いない。

札幌から江部乙まで木村教授夫妻に車で送ってもらった。途中で音江の環状列石を見るご夫妻! この地には縄文時代の環状列石がいくつもある。北海道は1万年も昔から人は住んでいたのだ。